香港会社設立時に!カンパニーチョップ作成の流れと手軽な作成方法

香港で会社を設立する準備段階では、様々な手続きが必要になりますが、カンパニーチョップの作成もそのうちの一つになります。香港のカンパニーチョップは、日本でいうところの会社印鑑にあたり、契約書に押したり、銀行の口座を開いたり、小切手を発行したりと、会社の運営で色々な場面で必要になりますので、会社設立の手続きと一緒に、早めに準備しておくと安心です。そこで、今回は香港でカンパニーチョップをどのように作成すれば良いのか、カンパニーチョップを手軽に作成する方法について、ご紹介していきます。

さて、このカンパニーチョップには、主に丸型ゴム印、角形ゴム印、コモンシール(鋼印)の3種類があります。丸型ゴム印は、日本の認印に近く、見積書、請求書、領収書、発注書、郵便物の受取等に使用されます。

角形ゴム印は、こちらは会社名とサインを記入する欄があり、主に香港の役所(税務局、登記局、労働局)へ提出する書類、取締役の署名が必要となる契約書に使用されます。角形ゴム印は、丸型ゴム印に比べて、信頼性の高いカンパニーチョップとなります。

最後に、コモンシール(鋼印)ですが、これは金属製の印鑑で、通常は丸い形をしています。ゴム印とは異なり、インクを付けて押すのではなく、書類に直接圧力をかけて刻印するものです。そのため、改ざんが難しく、より重要な書類や証明書などに用いられます。

これらのカンパニーチョップを作る流れとしては、まずは香港での会社設立の手続きを終わらせる必要があります。会社登記が無事に済み、会社名や住所が決まってから、カンパニーチョップの作成に入ります。

香港の上環(ションワン)にある文華里(Man Wa Lane)は、通称ハンコ街と呼ばれるほど印鑑屋が軒を連ね、店頭にはさまざまな材質やデザインの印鑑が並んでいます。このような印鑑屋に足を運んで、希望する印材、サイズ、書体などを伝え、会社名を彫刻してもらうことになります。印鑑屋によっては、英語での対応はもちろんのこと、日本語でのコミュニケーションが可能なスタッフがいる場合もあるので、言葉の心配がある方でも比較的安心して依頼できるでしょう。

香港のカンパニーチョップを依頼する流れについて、もう少し詳しく見ていきましょう。まず、いくつかの印鑑屋を訪ね、それぞれの店舗の雰囲気や、扱っている印材の種類、デザインのサンプルなどを確認することから始まります。印鑑屋によっては、過去の作成事例を見せてくれたり、希望するイメージを伝えると、具体的な提案をしてくれたりすることもあります。

依頼する印鑑屋を決めたら、次は具体的な注文内容を伝えます。まず、作成するカンパニーチョップの種類を選びます。一般的には、会社名が刻印される丸型ゴム印と、契約書などに使用される角形ゴム印の2種類を作成することが多いようです。それぞれの印鑑のサイズについても、使用する場面や書類のサイズなどを考慮して、適切なものを選ぶ必要があります。また、印材の種類も豊富に用意されています。柘植のような比較的安価なものから、黒水牛やチタンのような耐久性の高いものまで、予算や好みに合わせて選ぶことができます。

次に、彫刻する会社名と書体を指定します。会社名は、香港の会社登記名と完全に一致している必要があり、一文字でも間違ってしまうと、法的な効力が認められない可能性があるため、慎重に確認しましょう。書体についても、古印体、楷書体、隷書体など、さまざまな種類があります。書体によって、印影の印象が大きく変わるため、会社のイメージや用途に合わせて、適切なものを選ぶことが大切です。もし、書体について迷う場合は、印鑑屋のスタッフに相談してみるのも良いでしょう。

注文内容が確定したら、一般的には代金の一部を前払いし、完成までの期間を確認します。作成期間は、繁忙状況や、選択した印材、加工の複雑さによって異なりますが、一般的には数日から一週間程度を見ておくと良いでしょう。完成予定日になったら、再度店舗を訪れ、完成したカンパニーチョップを受け取ります。受け取りの際には、印影に間違いがないか、指定した通りの仕上がりになっているかをしっかりと確認することが重要です。もし、気になる点があれば、遠慮せずに印鑑屋に伝え、修正してもらうようにしましょう。

また、香港の現地に足を運ぶ事が難しい場合や、印鑑屋と直接やりとりせずに、手軽にカンパニーチョップを作成したい場合は、会社設立をサポートしてくれる現地のコンサルティング会社や秘書役会社に依頼することも可能です。どの種類のカンパニーチョップを作成するか、どのようなデザイン、サイズが適切かのアドバイスをもらえて、スムーズに作成してもらえます。

カンパニーチョップは、会社の大切な財産で、法律的にも重要な意味を持つものですので、作る時には信頼できる印鑑屋を慎重に選んで、間違いがないようにしっかり確認することが大切です。香港で会社設立を成功させるために、会社の顔となる、そして長く使用できる、素晴らしいカンパニーチョップを作成しましょう。

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